情報発信者が知っておくべき著作権について、弁護士に聞いてきた!正しい引用やNGなラインを学んできたのでまとめてみる。

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先日、「明日やります」の奥野さんが主催されている「ブロガーズリスク分散勉強会」に参加してきました。第4回目のテーマは「漫画やキャプチャーの適切な引用を学ぶ」!でした。

適切な引用・・・つまりは「著作権」についてです!

何に著作権が発生していて、何がダメで、何がOKなのか・・・ブログやTwitterから発言する者として知っておくべきことを専門家の弁護士さんに直接聞いてきたのでまとめてみます。

今回は「GVA法律事務所」の野本 遼平先生に詳しく教えてもらったのですが、講義の内容を全部理解するのは本当に大変で、頭の厳しい僕は、頭の中が沸騰しそうだったのでザックリとご紹介します!

 

 

まず知っておきたい著作権の基本的なところ

著作物とは

著作権法2条1項1号
「思想又は感情を創意的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

→ポイントとしては
①思想または感情の表現
②創作物

主に。言語、音楽、絵描、建築、図形、映画、写真、プログラムなどの形式。。。飲食店の住所や営業時間などは、データ。感情の表現や創作物ではないそうです。

 

著作権(財産権)とは

著作物に対する経済的利益を対象にした権利のこと
→著作物を自由に使用・処分できる権利

複製権、公衆送信権・送信可能化権、譲渡権、翻訳・翻案権など。。。

 

著作者人格権とは

著作者が自己の著作物について有している人格的利益を対象にした権利のこと
→公表の手段、方法などを決定できる

公表権、氏名表示権、同一性保持権など。。。

その著作物に対するプライド的なものです。自分の著作物を紹介してもいいけど、その紹介のされ方は気に食わねぇ!って感じのやつです!

 

著作権の特徴

● 無方式主義→制作すると自動的に著作権が発生
● 保護されるのは「表現」のみ→アイディアは保護されない
● 保護期間→著作者の死後50年、海外は70年

ブログを書けば、その時点で著作権が発生します。それ自体が創作物なわけです。かっこいい言い方をすればブロガーは表現者!!でもアイディアは保護されないそうです。←これはビックリしました!

 

 

情報発信で気をつけたいこと

引用するならまずは、その引用したいものが著作物がどうかを確認しよう!

 

歌詞の引用について

歌詞も一般的には、創作性(何らかの個性が表現されたもの)があり、基本的には転載禁止

OKなもの
●  歌詞のほんのワンフレーズのみ転載する場合
→創作性が認められたら場合、フレーズの文字の長さは関係ないので注意!何の歌詞か分からないぐらいだったら全然OK!

 

●  一括して著作権を管理しているJASRACなどから許諾をもらっている場合
→これは例外。
個人メディアでJASRACとの包括契約を結ぶのは基本的には無理!メディア運営者が、JASRACと包括契約している場合がある→ニコ動、Youtube、アメーバなど。。。そこのメディアに乗っかる形であればOKだが、利用契約などの確認を!

 

●  引用の範囲内といえる場合←例外、でも超大切!

– 他人の著作物を引用する「必然性」があること
→引用が必要であること

-「自分の著作物」と「引用部分」とが区別されていること
→引用部分がはっきりしていないとダメ。見た目で引用と分かればOK

– 自分の著作物と引用する著作物との「主従関係」が明確であること
→引用がコンテンツのメインではダメ!

– 「出所の明示」がなされていること
→基本的なルールはなし。引用元表記の仕方として、漫画の場合は、著者?出版社?どちらに権利が残っているのかは、外からだとわからないどちらも明記しておくことが大切!

 

ダメなもの
● 歌詞全体を転載する場合
● 歌詞の一小節をまるごと転載する場合
● Twitter140文字でつぶやく場合→Twitterの140文字は意外と長い。

 

 

他人の投稿文章の転載について

歌詞と同じように、その投稿が著作物であるかどうかを考える。

・おはよう。
・こんにちは。ブログ面白かったです!
・ブログ参考になりました
・くそすぎるw

定形文章は、誰でも思いつくありふれた表現である(創造性がない)ので、他人の投稿をそのまま転載してもOK

 

● Twitterなどの他人の投稿を転載する場合
基本的に転載禁止!ただTwitterの埋め込みで掲載する方法はOK!→埋め込みはリンクを飛ばしているだけなのでOK
同じ考えで、YouTubeの動画埋め込みもOK!ただ埋め込んだ動画自体が著作権を侵害したものである可能性があるで注意!

 

 

漫画の引用について

歌詞と同じように引用の条件を満たしていることが必要!

-他人の著作物を引用する「必然性」があること
-「自分の著作物」と「引用部分」とが区別されていること
-自分の著作物と引用する著作物との「主従関係」が明確であること
-「出所の明示」がなされていること

ただ、コマを切り取ったり、変更したりするのはNG。漫画の引用はそもそも必然性の部分が難しい。ネットに漫画のコマが落ちていること自体がおかしいので注意!
著作権フリーの漫画もある。例「ブラックジャックによろしく」→2次利用を許可している

 

 

他サイトへのリンク

●  ハイパーリンク
→OK!URLは住所のため

●  ディープリンク(ウェブページのトップではなく、下の階層のウェブページ、個別記事などを表示すること)
→OK!リンク先の著作物をコピーしたり、変更したりするものではないため

● フレームリンク(自分のページのフレームの中に他人のページが表示されているリンク)
→△注意が必要。リンク先の著作物をあたかもリンク元の著作物であるかのように表示させている場合はNG。また著作者人格権の侵害となる可能性も。そんな紹介のされ方は気にくわいといった感じに。

 

 

芸能人やスポーツ選手の掲載

● パブリシティ権
自己の氏名・肖像から生じる経済的利益ないし価値を排他的に支配する権利

【 違法な事例】
①肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる等として使用する場合。
②商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付している場合
③肖像等を商品等の広告として使用する場合

→ブログの場合、PVアップのために芸能人の写真掲載は広告目的と認定される可能性あり!
→写真を撮影する場合、写真は撮影者の著作物だが、写っている人にはパブリシティ権が発生するので注意!

 

 

書籍の内容の紹介

書籍の内容も基本的には創作性がある!

①本の内容をそのまま引用する場合→引用の問題、引用の条件を再度確認!
②本の内容を要約して記載する場合→要約は翻案権という権利の問題

翻訳とは何を指すのががむずい→要約を見ただけで、満足してしまい購入などに至らなくなってしまう場合は注意が必要!

 

 

その他の注意点

・ゲームや映画のレビュー
ゲームの攻略ブログなどはあやしい。ゲームのキャプチャ画面を掲載し、必然性のないキャラクター画像なども多いため。動画も同様。

映画のレビューは、映画のワンシーンを用いない例が多く著作権法上の問題を抱える場合が少ない。ただし、サムネイル画像には注意!ポスターの画像などはダメですよ!
ネタバレは?→要約の論点。直ちに著作権の問題にはならない。書籍の要約に比べると問題にならないものが多数。

 

・ゲームプレイのアップロード
著作権者の許諾なしにアップロードすることは、送信可能化権の侵害。ただ動画のアップロードが認められているゲームもある。例:『ウルトラストリートファイターⅣ』『ラグナロクオンライン』『モンスターストライク』

 

・サムネイルでの画像、イラストの使用
特にSNSでの使用が許されているわけではなく、著作権違反。アニメアイコンなどが該当。

 

 

全体としての感想

著作権を違反してしまうと、刑事責任や民事責任になってしまう場合もあります。何年も育てたブログがなくなってしまう場合も十分にありえます。そんなリスクを回避する勉強会「ブロガーズリスク分散勉強会」はホントに有意義な時間でした。レビュー書くのがだいぶ遅くなってしまいましたがw

著作権について学びましたが、最後に注意したい点があります。講義でもありました「法律の上に契約がある」ということです。例えば、法律ばかり気にしていて、TwitterやFacebookなどの巨大プラットフォームのルールに従わないと痛い目をみる可能性があるということです。この契約の重要性が増しているそうです。サービスを利用するとき利用規約を許諾するに考えなしにチェックをいれますが、ちゃんと確認しないと大変なことになるかもですね。

講義でもありましたが、「クリエイティブ・コモンズ」の考え方や動きが広がるともっとビクビクせずに自由に書けるのかな〜と思います。

また是非、この勉強会が開かれることを期待しています。
講師の野本先生、主催者の奥野さんありがとうございました!

 

↑野本先生も書かれている本です。アプリと書いてありますが、それだけでなく、利用規約の作成やプライバリシーポリシーのことについて学べる本ということで、気になる方は是非読んでみてください。

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