新しい革靴を購入した時、早く履いてやりたい気持ちもわかりますが、そこは気持ちを抑えてちょっとひと手間加えてあげましょう。
買ったばかりの革靴は、手元に届くまでに時間が経っています。輸送や店頭での保管・展示がその主なところ。
その間、革に必要な油分や水分がとんでしまってカッサカサ状態。栄養を与えてやらないと、痛みやすく足にも馴染みにくい状態になってしまいます。
お肌も乾燥したら化粧水を付けますよね。人の肌と同じように革もケアしてあげなければなりません。
靴磨きは、履いた後に革のコンディションを整えるものというイメージがあるかもしれませんが、履きおろす前のケアで後のしわの入り方などが違ってきます。
新しい相棒と長く付き合うために、最初の手入れもしっかりやっておきましょう!
革靴を長持ちさせる最初の5ステップ
先日、スーツセレクトで購入したダブルモンクシューズ。店頭で展示されいてサイズもラスト1足のものでした。今回はこの靴を使用してファーストメンテナンスを行っていきます。
作業自体は難しいものではないですが、一つ一つの工程において、なぜ必要なのかを理解しておくと作業もスムーズかと思います。次に必要な道具たちも紹介します。
履く前の靴磨きで必要な道具たち
使用する順番で記載しました。今後の靴磨きをするにあたって、必要なものばかりなので持ってない人は揃えておきましょう。
最初のメンテナンス手順と注意点
①紐やバックルを外す
まず、靴の紐やバックルは外しておきましょう。これは隅々までしっかり手入れできるようにするためです。
紐があると磨きにくいですからね。
また、シューツリーを入れておくと靴の型を保ってくれるため磨きやすくなります。
シューツリーは革靴の履きじわや反り返りなど、型くずれを防いでくれるので持っておいて損はない道具です。木製のシューツリーは靴の中の湿気を吸い取ってくれる効果もあるので、革靴を長く履くためには必須ですね。
使用しているのはコロニルのシダーシューツリー。シューツリーなら何でもいいと選んでしまうと、かえって型くずれの原因になるのでちゃんと信頼できるものを選びましょう。ちなみにサイズがあるので注意です。
②ほこりを落とす
この工程では、毛足が長く柔らかい馬毛ブラシを使用すると細部まで毛が行き届くのでオススメです。
ほこりはそのままにしておくと汚れやカビの原因になります。また、革の油分がほこりに移ってしまったりもするそうで、最初のメンテナンスに限らず、毎日のケアとしてやっておきたいところ。
こちらも使用しているのは、コロニルの馬毛ブラシ。持ち手部分に反りが入っていて扱いやすく、お値段もお手頃。
僕は玄関に置いていて、帰ってきた後にサッとブラッシングできるようにしています。
③デリケートクリームを塗る
栄養として塗っていくのはデリケートクリーム。乳化性クリームと違って、水分が多いのが特徴です。
お肌の手入れでいうところの、化粧水といった感じ。
購入してすぐの革は固い状態です。乾燥して革の繊維もほぐれていない状態のため乳化性クリームは浸透しにくいそうです。なので、水分の多いデリケートクリームで足に馴染みやすい革にしていきます。
デリケートクリームは伸びも良く浸透しやすいので、革靴だけでなく他の革小物などにも使えます。塗った後もベタつかないので、バッグや財布用に持っておくのもいいですね。
④クリームをなじませる
今度は、クリームをしっかり革に浸透させるため、豚毛ブラシを使って、全体をブラッシングしていきます。
硬さのある豚毛ブラシは、クリームの塗り込みに適しています。ほこりや汚れを落とすやわらかい馬毛ブラシと、硬さのある豚毛ブラシ。この2つは靴磨きにおいて必須アイテムです!
⑤ 余分なクリームを拭き取る
最後に、革の表面に残った余分なクリームを拭き取ります。これで最初のケアは完了です!
布は不要なTシャツなどのコットン生地を使ってもOK。ちなみに細長い布を用意すると指に巻き付けやすいので、オススメです!
靴を育てる最初のステップ
手入れを終えた後の革靴は、箱から取り出した新品の状態よりも少しばかりか輝いて見えるような気がします。
革靴は手入れをすれば、その分長い付き合いが続きます。
履けば汚れますし、傷もつきますが、ケアをすることでコンディションを維持することができます。もちろん、ケアをして新品の状態に戻すことはできません。靴磨きは、経年変化を楽しむ感覚に近いと思います。
今回の工程は、人生を一緒に歩んでいくためのファーストステップ。これで準備が整いました。
5年、10年と履き続けて、革を育てていきたいですね。自分の一足と言える、その日まで。
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