僕の好きなブランドの一つに「kagari yusuke(カガリユウスケ)」というカバンブランドがあります。
ブランドのコンセプトは、”壁を持ち歩く”。
革の上から建築材で使われるパテを塗り、建築物の壁のような質感をカバンや小物で表現した面白いブランド。
手で触れた時の質感、普通の革とは違った経年変化、漂うアンダーグラウンドな雰囲気。
僕の好みにマッチして、小物は特にカガリユウスケのアイテムが増えてきています。
今回は、ブランドの新作個展「CRASH」へ足を運びました。一般の人でも見ることのできる新作個展で、毎回行っているのですが、今回も良かった・・・
kagari yusuke2019年度新作個展
「CRASH」
2019年05月17日(金)~05月26日(日)
12時~19時
東京都千代田区外神田6-11-14
3331 Arts Chiyoda 地下1階 B104ギャラリーhttps://t.co/cLnp8gQeF4 pic.twitter.com/Iq4zcTvcZy— kagari yusuke (@yskyskysk) May 8, 2019
CRASH(物体が壊れること)を落とし込んだ作品たち、最高でした。
”壊れる”を表現した新作個展「CRASH」
新作個展は「アーツ千代田 3331」という中学校を改修して作られた文化芸術施設の1室で開催されました。毎回同じ場所での開催なので、慣れてきますね。ちなみに最寄りは末広町駅、秋葉原や御徒町からも徒歩でいけます!
わくわくしますね。
今回のテーマは「CRASH」。
パンフレットにも書いてありましたが、作品において「壊す」と「作る」意味合いって曖昧ですよね。
その力に意図があれば制作と呼ばれ、意図がなければ破壊だ。
引用:CRASH パンフレットより
うん、確かに。
壊れた物体が好き、というカガリさんの中でも作品作りの表現の仕方について、ぐるぐると答えのないものがあるようです。
個展には、CRASHの言葉に合う作品と展示がたくさん。
様々な壊れると壊すが表現されていますね。
会場も賑わってました。
一つ一つ、作品を見ていきましょう。
CRASHの作品たち
圧縮トート
ポリエステル生地に熱加工が施されたトートバッグ。
しわしわなんですが、名前の通り、圧縮された物体が表現されているため。このようなシワ加工となっています。
車に踏み潰された空き缶のようなプレスされた圧縮。だからあえてのシワ。面白いですよね。
グリッチ処理
カガリユウスケでは、見ないようなデジタルっぽい柄が展開されていまいた。
実はこの模様。東神田の壁の写真に壊す加工を施したもの。
グリッチと呼ばれる、バグのような処理をあえてかけて”壊す”を表現しています。
昔ゲームボーイとかスーパーファミコンで画面がバグることってありましたよね。こんな感じの画面だったんじゃないですかね?その現象もグリッチというそうです。初めて知った・・・
トートバッグやストールに使われています。ストールがとても良い。
グニャトート
今回、見ていて一番興奮したのがこのグニャトート。
こちらは、ファッションブランドの「HATRA」とのコラボ。
3D CADを用いて、物体をぐにゃっと潰したパターンを作ってもらったんだとか。
まさにこんな感じのイメージ。
カラーが入るとポップさが加わりますね。
気になるカバンの中もグニャっとしてました。
こちらもグニャトートの一つ。先程のグニャトートを元の姿に戻した形だそうです。グニャが先にきて、これを考えたそうな・・・さすがぶれない!
コアヌキとクラッシュ
こちらがコアヌキトート。
建築物のコンクリートに後から穴をあけることを「コア抜き」というそうです。
そのコア抜きが表現されたトートバッグ。内側はPVCバッグとなっていて、くり抜かれた部分のみ透明となっています。くり抜いた◯はポーチに変身。これが、めっちゃ欲しい。
PVCが付いて重さは出るのですが雰囲気良し!欲しい・・・
亀裂模様は、クラッシュと名前がついた作品。こちらも中はPVCになっていて、亀裂部分が透明となっています。
ガラスが割れたようなイメージですよね。まっすぐパリンと割れている感じです。これも面白い。
ハーフカットリュック
リュックを半分にカットしたリュック。
斜めがけや肩掛けで使う感じですね。どれもこれも表現の仕方が徹底されていますね。この徹底さにいつも驚かされます。
その他の作品たち
ショルダーポーチ。
ダクトを表現したリング。
ライダースも。
小物にはIDケースや。
iPhoneケース。
財布やコインケースももちろんありました。この亀裂、すごくないですか?レーザーで模様をつけているそうです。
前回展開されていた亀裂は、彫刻刀で一つ一つ作っているとのことでしたが、今回は、レーザーを使っているため模様の形自体は一つ一つ同じになるのだとか。ただ、パテも盛り方によって、レーザーの入り方が若干違ってくるとのことです。
これからまたどういう変化をしていくのか、見ものですね。
経年変化を楽しむ
面白い展示がありました。
外にカバンを放置したらどうなるか、実験しているそうです。ここに書いてある通り、カチカチに固まっていました。
ここまでとは言いませんが、カガリユウスケの魅力に、革とは違った経年変化があります。
黒い作品は凸凹が取れてゆき、やわらかくツヤが出てきます。白い作品は、壁と同じように黒ずみ、黄ばみ、汚れていきます。この変化が面白いんですよね。
僕の持っているコインケース、キーケースも変化が見られています。自分だけの変化、これが楽しい。
参考:革の上から建築用のパテを塗る「Kagari Yusuke(カガリユウスケ)」を1年使用してみて
カガリユウスケの作品は、好みに合う合わないがあると思いますが、気になる方は是非チェックしてみてください。
個展も5月26日(日)まで開催されていきます。ブランドの個展とか、なかなか一般の方は行けないと思うので、みてみてくださいね。
参考(昨年の個展):Kagari Yusukeの新作個展!工事現場をテーマにした『Under Construction』をみてきました!
RECOMMEND